食べ物をかんでいると唾液が出ます。子供のころに食べ物を口に入れたら、最低でも30回は噛むようにと言われていました。
きちんと食べ物をかまないで飲み込む人もいるようですが、よく噛んで食べ物を細かくして、唾液でより消化して胃の中へ送り込むのが、胃にも負担をかけない方法です。
唾液には、重要な役割があります。
- 食べ物の入り口の「門番」としての役割。
- 消化・吸収を助ける役割。
- 口の中をきれいにし歯を守る役割。
- 生体を守る(生体防御の働き)役割。
- 唾液腺ホルモンで老化予防の役割。
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食べ物の入り口の「門番」としての役割。
食べ物には、病気をひき起こす細菌や発がん性物質、過酸化脂質など有害なものも、ときには含まれています。 唾液は、これらの危険なものが体内に吸収される前に、有害なものを減らしてくれるのです。 唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、 それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的なのだとか。「 ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです。
消化・吸収を助ける役割。
唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。
アミラーゼは、糖質・でんぷんなどを麦芽糖に変え、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。
酵素が食べ物と混ざり合い、胃へ送られるため、食べ物の消化・吸収がよくなります。
また、唾液との混和で適当な食塊ができるため、飲み込みやすくなります。
口の中をきれいにし歯を守る役割。
食べ物を食べると、口の中でむし歯菌が活動し、酸性に傾いて、むし歯がつくられやすい状態になります。
唾液は、口の中に残っている食べかすなどを落としたり、口の中を酸性からもとの中性の状態に戻す役割を持っているため、むし歯や歯周病予防にも役立っているのです。
その他、 お口の中には、体の中で最もかたい歯と最もやわらかい粘膜が同居していますが喋ったり、食べたりしても傷つかないのは、唾液が口中を潤しているからです。
生体を守る(生体防御の働き)役割
人体で外に開いている部分(口・目・鼻など)には、外から侵入してくるバイキンなどを防ぐ役割(生体防御機能)が働いています。
唾液に含まれるリゾチームがそれで、抗菌作用をする酵素なのです。
リゾチームは、唾液だけでなく、涙や汗、リンパ腺、鼻粘膜、肝臓、腸管など生物体内に広く分布していて、いろいろな細菌感染から生体をまもり、生命維持に欠かせないものです。
唾液腺ホルモンで老化予防の役割。
唾液腺ホルモン(パロチンという)は、骨や歯を硬くする(石灰化)に役立つほか、血管、皮膚、毛髪などの発育にも関係します。
これが不足すると、骨・歯・皮膚・毛髪などの発育障害、血管壁の弾力繊維の減少などにつながります。
つまり、唾液腺ホルモンの分泌がさかんであることは、こどもでは発育促進、大人では老化防止(アンチエイジング)につながるといえます。
まとめ
このように重要な役割を持つ唾液ですが40代から減り始め、口の中が乾きやすくなります。
40代以降は特によく噛んで唾液を十分に出して健康増進を!特に女性に多い唾液が出なくなるシェーグレン症候群には注意です。
これにかかると唾液だけでなく涙も出にくくなるのです。